【合縁奇縁】編集委員・岡部伸 「現代の明石元二郎」(産経新聞)

 国民作家・司馬遼太郎さんの小説「坂の上の雲」が再び注目を集めている。テレビドラマ化され、再ブームになっているのは、元気がない日本に「明治」の活力を取り戻したいという時代の要請なのかもしれない。

 主人公の秋山好古、真之兄弟と正岡子規はじめさまざまな明治の日本人を描いているが、とりわけ陸軍大佐・明石元二郎に魅力を感じる。

 司馬さんが小説で「日露戦争の勝因のひとつは明石にある」と評したように反ロシア帝政の革命運動を支援し、敵を内部から揺さぶる“謀略工作”を仕掛け、勝利に導いた影の立役者だった。欧州各地に情報網を構築して新聞などの公開情報とあわせてロシアの情勢を正しく分析し、レーニンら革命家とも知己を得ていた可能性が高い。外交・安全保障の観点から情報の収集、分析を行うことを「インテリジェンス」というが、まさに明石こそ優れた「インテリジェンスオフィサー」だった。

 対ロシアのインテリジェンスといえば、「外務省のラスプーチン」の異名をとった元外交官で文筆家の佐藤優(まさる)氏が思い浮かぶ。

 13年前になる。ロシアに赴任して半年ほどたった5月だった。サンクトペテルブルクに出張し、ネフスキー大通り沿いのホテルに泊まった。白夜で明るかったが、チェックインは夜中の11時を過ぎていたのでルームサービスでボルシチを取った。食べ終わるや、睡魔が急に襲ってきて不覚にも、眠ってしまった。

 翌朝目が覚めると、財布にあった米100ドル札が数枚なくなっていた。パスポートやルーブル札は手つかずだった。入口のカギはかかったまま。物取りならば、日本のパスポートを見逃さない。ルーブル札も奪っただろう。摩訶不思議だった。

 しばらくしてモスクワを訪れた佐藤氏に話すと、「調べてみます」と二つ返事だった。

 1カ月後、佐藤氏は語った。

 「(モスクワ特派員になった)あなたを見ている(監視)という警告です。ボルシチに睡眠薬を入れ、コネクティングドアを使って隣室から侵入して財布から、米ドルだけを抜いたようです。任期中、おかしなことをするなとのことですよ」

 旧KGBの流れをくむ情報機関のカウンターパートからの言葉だった。「警告」にしては荒っぽい。だが、奇怪な出来事の裏側を解明した佐藤氏の“すご腕”に舌を巻いた。

 クレムリンの奥深くまで入り込んだ佐藤氏が北方領土交渉など日本が国家として行く手を決めるような極秘情報を入手し、それを正確に分析していたことはよく知られている。「戦争で取られた北方領土を交渉で取り返したい」。国益をかけて正面から挑み、追いつめながら、元大統領の病気でわずかに及ばなかった。ロシア情報をユダヤルートで広げようとして「国家の罠」に嵌ったが、紛れもなく偉大な「インテリジェンスオフィサー」だった。

 だから佐藤氏は、「ラスプーチン」ではなく、「現代の明石元二郎」だったのではないか、とひそかに思っている。「国策捜査」で佐藤氏を失った日本外交の損失は計り知れない。

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虚偽申請で訪問介護事業所の指定取り消し―岐阜(医療介護CBニュース)

 虚偽の申請によって指定を受け、介護報酬を不正に請求していたなどとして、岐阜県は5月14日、「合同会社イーポイント」(中津川市)が運営する指定訪問介護事業所「イーポイントヘルパーステーション」(同)に対して介護保険法に基づく指定の取り消し処分を行った。

 県によると、事業所は昨年11月に指定を受けた。その際に同社の代表社員を事業所の常勤専従の管理者としたほか、介護職員を常勤で2人、非常勤で1人配置すると申請した。しかし、管理者は実際には県外に住んでおり、週2日程度しか出勤していなかった。また、職員も1人しか常勤で勤務していなかった。このほか、サービス提供責任者が作成すべき利用者の訪問介護計画を一切作らないなど、運営基準に違反していた。

 利用者は市内に住む70歳代の女性1人だけで、昨年11月から今年2月まで身体介護サービスを受けていた。指定を受けて以降に支払われた報酬が不正請求に当たるとして、市は同社に対し約63万円の返還を求める方針。


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舛添氏とのポスター使えず…自民候補予定者ぼやく(読売新聞)

 参院選に向けた「自民党の顔」として党内で期待されていた舛添要一・前厚生労働相が新党改革を旗揚げしたあおりで、自民党の立候補予定者が作製した舛添氏とのツーショットポスターがお蔵入りになった。

 ポスターの作り直しを余儀なくされた立候補予定者からは「舛添さんの巻き添えになった」とのぼやきが漏れる。

 読売新聞が今月2〜4日に行った全国世論調査の「国会議員の中で、首相には誰が最もふさわしいか」という問いで、舛添氏は他の国会議員を引き離してトップとなるなど、国民の間で人気を集めている。

 同党公認で参院比例選に出馬予定の大阪市議(42)は2月、「舛添人気」をあてこんでツーショットポスター約10万枚を作製した。支持者への郵送代などを含めて経費約1000万円をつぎ込んだが、事務所には約1万枚の在庫が山積みとなっている。

 市議は「舛添新党」のうわさがくすぶる4月上旬、東京都内で開かれた舛添氏主催の勉強会に出席し、「地方の若手議員の期待を裏切らないで」と訴えた。舛添氏は「わかった。ありがとう」と応じていたという。舛添氏が23日に新党旗揚げを発表した後、市議は自身のブログに「舛添さんに巻き添え」のタイトルで文章をつづり、「本当に困りました」「私が一番の被害者」などと書いた。

 奈良選挙区(改選定数1)で自民新人として立候補を予定している元団体職員(34)は、新党旗揚げが報じられた22日から舛添氏と並んだポスター500枚を奈良市内の街角から撤去しはじめた。元団体職員は「自民党を党内から改革してもらえると思っていた。残念でならない」。新たなポスターはゴールデンウイークに間に合わず、「ただでさえ、出遅れているのに大打撃」と嘆いている。

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